キューバの東部地方、サンティアゴデクーバ市で2017年3月15日水曜日に音楽祭が始まりました。
少数精鋭のスタッフで進められるフェスティバルです、炎天下、そして時に雨がちな中準備が同時進行しています。
初日の午後に無事初演を終えて実行委員会事務所へ海外からの演奏家として登録に行くと、登録係が帰ってしまったので明日また来て下さいとの事。
慣れているので登録自体は慌てず翌日にしましたが、プログラムについて尋ねるとその日の夜に開会セレモニーで出演する事になっていました。
まだギターリスト・ムーチョさんがハバナにいる事を説明すると、誰かと共演して凌いだらどうかと提案されたのでその場で考えてみました。
答えは出ないので、一度よく考えてまた少し後、リハーサル時迄に誰かに直接交渉する事になりました。
よく考えたら無茶な事をとなるでしょうが、音楽祭は様々なハプニングがつきもので55年続いています。
僕も17年目になるので、それなりに信頼関係もできて経験も積み、ハプニングの中から素晴らしいコラボレーションも生まれる事を期待しつつ過ごしました。
途中雨が降ったかもしれません、でもリハーサル時には止んで少し早めに会場入りしました。
出演予定の演奏家が集まる中、尊敬するギターリスト・ガビーノ・ハルディーネスさんがいらしていて思い切って直談判してみると思いがけず快諾下さいました。
数々の名演奏を見ているだけに感無量です。
その場でキーを伝えて進行を確認するとすぐ本番。
でも、本番3分前で出番がもうあとひとつ遅れます。
1分前でさらにあとひとつ待つ事に。
シエンフエゴス州から久しぶりに参加するデュオ、アシソンの名演奏を聴きながら出番を待ちます。
ドキドキしますが不安はありません。
トローバのスタンダードでかつフェスティバルに縁ある二曲を無事歌い終える事ができました。
オープンエリアにいっぱいのお客様とのひと時は、瞬く間に過ぎていったのでした。