フェスティバル通信2013〜サンティアゴ・デ・クーバより・4〜
2013年 03月 27日
ギターリストmuchoさんとの現地初ステージは、サラ・ドローレスという教会を改築したコンサート・ホールでした。

ここは室内の響きが良くて、アコースティックな音楽を演奏し楽しむにはもってこいの会場です。
ひとつ前の日記にも書きましたが、当日のメイン・アクトはエリアデス・オチョア氏と彼のグループ;クワルテート・パトリア。
グラミー賞を何度も受賞されて今迄以上に忙しい最近は、地元で彼らの演奏を聴ける機会も大分減りましたので今年サンティアゴにいらした方はかなり幸運だったと思います。
驚いたのは、彼らのメイン・ステージに前座も誰もおらず、
特別ゲストが僕達だけというステージ構成。
大変な栄誉です。
チケットは彼らの名前もあって多めにチケットを出しても飛ぶように売れ、ふたを開けたら満席で溢れる位の来場者でした。

購入者は観光客はもちろん地元の方々であることも大事な点です。
オチョアさんは開演の直前までレコーディングをされていて、昼間僕も少しスタジオへ御邪魔しましたが、ドキュメンタリーも同時に収録中でした。
コンサート前に繊細なレコーディング作業をするだけでも重労働なのに、同時にカメラを回したままドキュメンタリー収録までしている姿に非常に感じるものがありました。
彼はブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブの中心人物であると同時に、そのもっと以前から世界で活躍するトラディショナルなキューバ音楽の体現者でもあります。
現役でグループ・メンバーの誰よりも精力的に仕事をこなす姿を目に焼き付け、僕も自分のすべきことに集中すべく夜の演奏会場へ打合せに向かいました。
そして本番。
会場いっぱいの人の中にこれまでにない位の日本のお客様がいらっしゃいました。
これまでキューバでお世話になった人達も応援に駆けつけて下さいました。
お蔭様で無事終えることができ、思いがけないオチョアさん達との共演という幸せな夜は瞬く間に過ぎました。
コンサートは翌日現地のニュースでも放送して下さったそうで、ドキュメンタリーにも収録されることになりそうです。
感動も新たに、カリブの夜空に浮かぶオリオン座を眺めながら帰りました。
翌日からは、音楽の殿堂とも呼ばれるカサ・デ・ラ・トローバ公演が二回控えています。