歌の原風景:キューバ家庭料理〜おふくろ、ならぬ親父の味〜

春に訪れたキューバで印象に残った料理があります。

東部地方の町、サンティアゴ・デ・クーバでのことでした。
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それはエンパナディージャ。
キューバの家庭料理のひとつです。

ある日料理自慢の宿主・Mさんが日頃あまり作らないエンパナディージャを出してくれました。

小麦粉かとうもろこし粉で出来ている表生地に好きな中身を包んで油で揚げるおやつで、今回はとうもろこし粉でした。

中身が挽き肉の煮たものならちょっとしたおかずになるし、
天然のマンゴーやグアバを煮たジャムを入れるとそれは美味しいおやつに。
子供から大人まで人気があります。

出された味はグアバ。僕は大好物です。

しかもMさんのお父さんが手作りしたと聞いてワクワクしました。

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これは調理前の仕込み済みの生地です。
これだけでも美味しそう。

実際に戴くとやはり期待通りの味で、揚げたてが一番美味しい!


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ただ、食べながら聞いたエピソードは胸に沁みました。

まだ家が貧しかった頃、お父さんはとにかく大量のエンパナディージャを来る日も来る日も作り続け売り歩いたそうです。

家で作ることのなくなった今も、エンパナディージャを見るとその父親の姿を思い出すとのこと。

今はお父さんは年を召されてなかなかエンパナディージャを作る機会もなくなりました。
また、娘であるMさんから頼んでわざわざ昔の大変だった頃を思い出させることもないだろう、という雰囲気でした。

僕はその美味しさに思わずおかわり!と
叫びそうになったことを恥ずかしくなりそう伝えました。

Mさんは‘私も(父の作るエンパナディージャを)大好きだから嬉しい’と一言笑顔で言ってくれたのですが、その時のMさんの昔を懐かしむ柔らかい笑顔に何だか胸が一杯になりました。

演奏会場で好んでレパートリーにするキューバの曲は現地の風物詩が溢れていて、
いつもエピソードを伝えきれないのが残念です。

ささやかですが、この日記を通じてアクセス下さるあなたに知って頂ければと書き留めました。


‘さあ、今日も自慢の売り声を聞いておくれ!僕のエンパナディージャはとうもろこし粉でできているんだ、世界で一番美味しいエンパナディージャだよ!’

〜エル・エンパナディジェーロ(=El empanadillero/エンパナディージャ売り)より〜
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by chekere | 2011-08-03 00:35 | サンティアゴ・デ・クーバ | Trackback | Comments(0)